ピロートーク0235
 
 
 


力が抜けた、というよりは、倒れこむ、と形容した方が相応しい音を立てて綺麗な身体がシーツへと沈んだのが、数分前。
今は解かれた深い色をした長い髪と肌とのコントラストに目が痛い。
半分瞼が下りたままで、目の前の麗人は飽きもせず先刻からずっと俺の手を弄っている。
その、何時もなら硬質の刀を振るう長い指が、俺のてのひらを辿ってみたり、爪をなぞってみたり、指と絡めてみたりと、好き勝手に蠢く。
微妙な力加減で触れてくるそれが、時にぞく、と感じさせるものがあって。
 
「・・・・・・殴られそうなこと言ってもいい?」
「殴られてもいいと思うなら言え」
「・・・・・・。・・・手姦てあるじゃん。ねぇだからちょっとまって最後まで聞いてって!」
「煩ぇ殴られてもいいんだろ殴らせろ」
 
途端力の込められた、俺の手を今まで良い様に弄っていた手を、こちらも負けずに力を籠めて押さえ込む。
ぐぐぐ、と競り合うその手は、今まで甘く触れ合っていたなどとはちょっと想像させてくれなかった。
結局力では僅差でも俺の方が勝っているので、力をこめたことで動けなくなったその腕を利用させて頂いて、横に並んでいた身体を起き上がらせた。
指を絡めたまま、上から見下ろす形になったユウの目はやっぱり綺麗で、月明かりの下で一層映えた。
 
「・・・そんで、何だよ」
 
けれど、突然の形勢の変化に当然面白くない、と如実に語るその瞳は、すうと細められる。
眉間に皺が染み付くからやめろって、もう何度も言ってるのに。
 
「うんだからさぁ、でも、その言葉って、これのがぽいなぁと思っただけなんだけど」
「は?」
「だからね、これが」
 
絡め合わされている手が。
微妙な力加減でてのひらに触れてくる細い指が。
薄い皮膚一枚隔てた向こうで緩やかに甘く触れてくるのがその手なんだという事実だけでも、充分なくらいに。
 
「手で、感じちゃう、みたいな?」
 
おどけた口調で、ちょっとだけ首を傾げながらくすりと笑って言ってみれば、驚きとも、呆気に取られたとも形容し難い感じで軽く目を見開かれた。
けれど、そこに悪戯を思いついた純粋な子供の様に、じいと見つめてくる、深いいろをした瞳。
押さえつけていた手が、ふと持ち上げられる。ユウの指と絡まったまま。
もう片方の手で身体を支えてその行き先を見遣れば、甘やかな、その舌へと誘われた。これには流石の俺も驚く。
薄い暗闇の中で妖しく香る紅。生暖かい口内と、そこに含まれる自分の指。
相変わらずてのひらを好きな様に玩びながら、艶かしい水音を立てる。瞳は、挑発的に合わされたまま。
 
「・・・っ、ちょ、も・・・・ユウ」
 
やばいってこれ。
指の付け根の間をその舌で舐められれば、思わずびくりと手を引いた。
漸く糸を引きながら開放された時には、その唇も、飲み込みきれなかった唾液に濡れていて。
 
「満足か?」
 
不敵に笑う彼を見下ろして、正直、してやられたと思った。
けれど、それでただ負けを認めるなんてできやしない。
まだ衣服を身に着けないままだったから、その濡れた指を、ユウの足の付け根へと這わせた。
 
「・・・っ!?ラビっ・・・ん!」
 
直に反論されるだろうなんてことはお見通し。だから、先にその淫乱な口を塞いでやった。
すぐ舌打ちはするし、簡単に罵詈壮言を吐くかと思えば、
自ら男の指を含んでみたり、美味そうに自分を犯す男の熱を咥えてみたりと。
 
「ユウってば、何気に舌が一番感じるよね」
「うっせ・・・!」
 
多分本人が思ってるより、ずっと、キスするのも好き。
暴れる綺麗な身体を押さえつけて、その身体を汚しながら、まだ明けることの無い空の太陽を迎える覚悟をした。
 
 





 
 
 
 
神田の性感帯は舌だと思うよ!というのを某方面へ布教するためのネタ。
でも話の中心はラビの手になってしまった。
良く手を弄られるのは私です。カタギの友人とか、愛人とかに(笑)
なので、ラビが感じてる箇所は私が弱いところ・・・とか書くとまた弄られるんだろうな(笑)
別にラビの性感帯が手だとは思ってません。弄られるのは好きだろうけど、性的に感じてはないと思う。
つか、ラビが敏感なところって思いつかない。
ついでに言うと、皆城は腹から足の付け根にかけてだといい。脇腹!(・・・。)