10、with love (愛を込めて)
空がゆっくりと明るくなる。
漆黒のビロードに覆われていた頭上が、東からの光によって白く染め上げられていく。
肌に心地よい風が吹きぬけていく。
それは、自分の短い髪と、彼の長い髪を緩やかに巻き上げて。
「ユウ、見える?」
丁度東の空に面した丘の上。ゆっくりと明けていく空が綺麗に見える。
腕の中に納まった彼の体をぎゅ、と抱き寄せて呟く。
右手は繋いだまま。迷子にならないように。目を離せばすぐに、何処かへ行ってしまいそうだから。
世界が終わる日の朝焼け。
夕焼けは血の色を連想させるけれど、朝焼けは浄化を連想させる。
何も汚す事無く終わる世界。彼の人のように。
今日には、ホームへ戻らなければならない。
「ユウ、見える?綺麗だよ」
返事が無い事を解っていて問う。
静かに閉じられたままの瞼は、二度と開かれることが無いと知っていて問う。
これで最後だ、と何度も誓った言葉を繰り返して抱き寄せる。
温度を忘れた身体は、それでも以前と変わる事無く包み込むその腕を許容した。
一つだけ吐いた嘘の真実を解かないまま、離れてしまうけれど。
「―――好きだよ、ユウ」
だから、待っていて。
運命なんて言葉信じていないけれど、後悔はしていないから。
丘の上。俺のサンクチュアリ。
矢薙様にご推薦いただいた『恋をしている/ランクヘッド』の歌詞(歌は知らない・・・・)をイメージソングに!
ていうか最後の最後で殺すか普通。